最高裁判所第一小法廷 昭和42年(オ)885号 判決 1973年6月21日
主文
理由
上告人昭和電工株式会社代理人成富安信の上告理由第一点について。
所論の点に関し、原審の適法に確定した事実関係のもとにおいて原審のした判断は正当として首肯するに足り、原判決に所論の違法はなく、論旨は採用することができない。
同第二点について。
所論の点に関する原審の認定判断は、原判決の挙示する証拠関係に照らして首肯するに足り、その過程に所論の違法は認められない。それゆえ、論旨は採用することができない。
同第三点について。
所論の点に関し、上告人昭和電工株式会社のした供託は不適法であつてその効力を生じないとした原審の判断は正当として是認することができ、原判決に所論の違法はなく、論旨は採用することができない。
上告人河西化工株式会社代理人佐藤三郎の上告理由第一点について。
所論の本件手形における検察官の書き入れは、本件手形の第一裏書を抹消したものと認むべきではないから、本件手形の裏書の連続に欠けるところはないとした原審の判断は正当として是認することができ、原判決に所論の違法はなく、論旨は採用することができない。
同第二点、第三点について。
所論の点に関し、原審の適法に確定した事実関係のもとにおいて原審のした判断は正当として是認することができ、その過程に所論の違法は認められない。それゆえ、論旨は採用することができない。
上告人林進堂の上告について。
本件記録に徴すれば、上告人林進堂の上告は不適法であることが明らかであり、却下を免れない。
(裁判長裁判官 下田武三 裁判官 大隅健一郎 裁判官 藤林益三 裁判官 岸 盛一 裁判官 岸上康夫)